追悼の森 =北杜夫さん死去=

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作家  北 杜夫 さん死去

2011年(平成23年)10月24日 死去 享年84歳

北杜夫写真  

作家  北 杜夫 さん死去

作家の北 杜夫(きた もりお)さんが2011年(平成23年)、10月24日午前6時2分、腸閉塞のため東京都内の病院で死去した。84歳だった。

ユーモアあふれるエッセー「どくとるマンボウ」シリーズで人気を博し、「楡(にれ)家の人びと」などの小説で知られた。今月21日にインフルエンザの予防接種を受け、翌日から体調を崩し入院していた。通夜、葬儀は親族のみで行う。喪主は妻喜美子さん。故人の遺志でお別れ会などは開かない。

人物 / 略歴

北 杜夫(きた もりお、1927年5月1日 ~ 2011年10月24日)

東京市赤坂区青山南町(現:東京都港区南青山)に生まれる。本名は斎藤 宗吉(さいとう そうきち)。小説家、エッセイスト、精神科医(医学博士)。

◆ 略 歴

東京市赤坂区青山南町(現在の東京都港区南青山)に、母・斎藤輝子、父・茂吉の次男として生まれた。生家は母・輝子の実父、斎藤紀一が創設した精神病院、「青山脳病院」であった。

少年時代は昆虫採集に深く熱中する日々を送り、文学には興味を抱かなかった。

戦中から戦後の混乱の最中、旧制松本高校に入学し、初めてトーマス・マンの作品に出逢う。中でもトニオ・クレーゲルや魔の山から強く深い影響を与えられた事がきっかけとなり作家を志すようになる。

文学以外には卓球部のキャプテンを務め、インターハイに出場した。また、松本高校を志望する理由のひとつであった日本アルプス登山に頻繁に挑むなどして高校時代を過ごす。

父・茂吉の短歌の素晴らしさに触れた北は、それまでは恐ろしいカミナリ親父、頑固親父としか思っていなかった父親を優れた文学者として尊敬するようになった。しかし、進路を決める際、志望外であった医学部へ進学する事を一方的に厳命され、ささやかな抵抗や交渉を試みるも父の威力を覆すことは敵わず、東北大学医学部へ進学した。

◆ 医師、作家として

大学卒業後は東京に戻り、慶應義塾大学病院のインターンとなった。無給であったため、すでに所帯を構えていた兄の自宅に居候せざるを得なかった。

医師として勤める傍ら、同人雑誌『文藝首都』に参加し、川上宗薫、佐藤愛子、田畑麦彦、なだいなだらの知己を得る。

1959年、『文藝首都』に連載した『幽霊』を、田畑の『祭壇』とともに自主出版する。

ナチス・ドイツの「夜と霧作戦」をモチーフにした『夜と霧の隅で』で、1960年に第43回芥川龍之介賞を受賞。

また、1958年から翌年にかけて水産庁調査船に船医として乗船しインド洋から欧州にかけて航海(ドイツ訪問が乗船の動機だった)。この体験に基づく旅行記的エッセイ『どくとるマンボウ航海記』が同年に刊行されると、従来の日本文学にない陽性でナンセンスなユーモアにより評判となり、ベストセラーとなる。

以降、小説、エッセイとも、特に若い読者から熱狂的に支持される人気作家となった。

◆ 躁鬱病

壮年期より躁うつ病(双極Ⅰ型障害)に罹患。

みずからの病状をエッセーなどでユーモラスに記し、世間の躁うつ病に対するマイナスイメージを和らげるのに一役買うこととなった。躁状態における株への投資のために破産も経験している。この経験が戯曲風小説『悪魔のくる家』の執筆のヒントになったとされる。

◆ 晩 年

1996年には日本芸術院会員となった。

2006年、新聞に自伝、『私の履歴書』(日本経済新聞)を連載。

2008年にはテレビのトーク番組 『徹子の部屋』(テレビ朝日)に28年ぶりに出演し、長女の斎藤由香も同席した。

2010年には「週刊文春」連載の「新・家の履歴書」に登場し、在りし日の斎藤家を回想した。

2011年10月24日、腸閉塞のため死去。10月21日にインフルエンザの予防接種を受け、翌日から体調を崩し念のため入院した結果である。84歳没。

特記事項

◆ 北 杜夫 / 著書一覧

◇ 幽霊―或る幼年と青春の物語 中央公論社、1960、新潮文庫
◇ どくとるマンボウ航海記(船医としての経験をユーモラスに描いた随筆)中央公論社、1960、新潮文庫
◇ 夜と霧の隅で 新潮社、1960、新潮文庫、以下略
◇ 羽蟻のいる丘 文藝春秋新社、1960
◇ 遥かな国遠い国 新潮社、1961、文庫
◇ あくびノオト 新潮社、1961、文庫
◇ どくとるマンボウ昆虫記(少年時代からの昆虫趣味をベースにした随筆)中央公論社、1961、文庫
◇ 南太平洋ひるね旅 新潮社、1962、文庫
◇ 船乗りクプクプの冒険 集英社、1962、新潮文庫、集英社文庫、2009
◇ どくとるマンボウ小辞典 中央公論社、1963、文庫
◇ みつばち ぴい(童話)フレーベル館、1964
◇ 楡家の人びと(斎藤家の歴史に取材した長編小説)新潮社、1964、文庫
◇ 牧神の午後 冬樹社、1965、中公文庫
◇ 高みの見物 新潮社、1965、文庫
◇ どくとるマンボウ途中下車 中央公論社、1966、文庫
◇ 天井裏の子供たち 新潮社、1966、文庫
◇ 白きたおやかな峰(体験取材した小説)新潮社(純文学書き下ろし特別作品)1966、文庫
◇ マンボウおもちゃ箱 新潮社、1967、文庫
◇ 怪盗ジバコ 文藝春秋、1967、文庫
◇ 奇病連盟 朝日新聞社、1967、新潮文庫
◇ どくとるマンボウ青春記(旧制松本高等学校学生時代の随筆)中央公論社、1968、文庫
◇ 黄色い船 新潮社、1968、「黄いろい船」文庫
◇ さびしい王様 新潮社、1969、文庫
◇ 星のない街路 中央公論社、1969、文庫
◇ 少年 中央公論社、1970、文庫
◇ 月と10セント マンボウ赤毛布米国旅行記 朝日新聞社、1971、新潮文庫
◇ ぼくのおじさん 旺文社、1972(少年ドラマシリーズ原作)、新潮文庫
◇ 人間とマンボウ 中央公論社、1972、文庫
◇ 酔いどれ船 新潮社、1972、文庫
◇ マンボウぼうえんきょう 新潮社、1973、文庫
◇ さびしい乞食 新潮社、1974、文庫
◇ 岩尾根にて 青娥書房、1975
◇ 木精―或る青年期と追想の物語 新潮社、1975、文庫
◇ 狂詩初稿 中央公論社、1975
◇ マンボウ周遊券 新潮社、1976、文庫
◇ どくとるマンボウ追想記 中央公論社、1976、文庫
◇ 北杜夫全集 全15巻、新潮社、1976 - 1977
◇ さびしい姫君 新潮社、1977、文庫
◇ 美女とマンボウ(対談)人類とマンボウ1 講談社、1977
◇ 怪人とマンボウ(対談)人類とマンボウ2 同
◇ スターとマンボウ 人類とマンボウ3 同
◇ マンボウ談話室(対談)講談社、1977
◇ マンボウ響躁曲 地中海・南太平洋の旅 講談社、1977
◇ むすめよ…―どくとるマンボウのおくりもの(童話)小学館、1977
◇ マンボウ夢遊郷 中南米を行く 文藝春秋、1978、文庫
◇ 悪魔のくる家 新潮社、1978、文庫
◇ マンボウぱじゃま対談 美女かいぼう編 集英社、1978、文庫
◇ マンボウぱじゃま対談 男性かいぼう編、同
◇ マンボウ博士と怪人マブゼ 新潮社、1978、文庫
◇ よわむしなおばけ(絵本)旺文社、1978
◇ まっくらけのけ 新潮社、1979、文庫
◇ ローノとやしがに―どくとるマンボウのとんちばなし(童話)小学館、1979
◇ 寂光 歌集 中央公論社、1981
◇ 人工の星 潮出版社、1981、集英社文庫
◇ 父っちゃんは大変人 文藝春秋、1981、文庫
◇ マンボウ宝島 若者のためのエッセイ集 創隆社、1981
◇ マンボウ雑学記 岩波新書、1981
◇ 親不孝旅日記 角川書店、1981、文庫
◇ 輝ける碧き空の下で(ブラジル移民に取材した長編小説)新潮社、1982 - 1986、文庫
◇ マンボウ人間博物館 文藝春秋、1982、新潮文庫
◇ マンボウマブゼ共和国建国由来記 集英社、1982、文庫
◇ マンボウ交遊録 読売新聞社、1982
◇ 北杜夫による北杜夫(試みの自画像) 青銅社、1982
◇ マンボウの乗馬読本 集英社 1983、「マンボウ素人乗馬読本」新潮文庫
◇ マンボウ万華鏡 物語の中の物語 PHP研究所、1983
◇ マンボウ百一夜 新潮社、1984、文庫
◇ 地球さいごのオバケ(童話)河出書房新社、1985
◇ 優しい女房は殺人鬼 新潮社、1986、文庫
◇ マンボウの朝とマブゼの夜 朝日新聞社、1986
◇ マンボウVSブッシュマン 新潮社、1987、文庫
◇ 大日本帝国スーパーマン 新潮社、1987、文庫
◇ 大結婚詐欺師 角川書店、1987、文庫
◇ 或る青春の日記 中央公論社、1988、文庫
◇ マンボウ酔族館 1-6 実業之日本社、1988 - 1999、新潮文庫
◇ 夢一夜・火星人記録 新潮社、1989、文庫
◇ 怪盗ジバコの復活 新潮社、1989、文庫
◇ 日米ワールド・シリーズ 実業之日本社、1991
◇ 青年茂吉(1991)・壮年茂吉(1993)・茂吉彷徨(1996)・茂吉晩年(1998)(4部作)岩波書店、のち岩波現代文庫
◇ マンボウ的人生論 若者のためのエッセイ集 創隆社、1991
◇ マンボウ氏の暴言とたわごと 新潮社、1991、文庫
◇ 神々の消えた土地 新潮社、1992、文庫
◇ うすあおい岩かげ(詩集)中央公論社、1993
◇ どくとるマンボウ医局記(慶應義塾大学医学部医局時代の随筆) 中
◇ 央公論社、1993、文庫
◇ 母の影 新潮社、1994、文庫
◇ 孫ニモ負ケズ 新潮社、1997、文庫
◇ 消えさりゆく物語 新潮社、2000、文庫
◇ マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記 青春出版社、2000
◇ マンボウ愛妻記 講談社、2001(改題:マンボウ恐妻記・新潮文庫)
◇ マンボウ遺言状 新潮社、2001、文庫
◇ マンボウ夢草紙 実業之日本社、2001(改題:マンボウ夢のまた夢・新潮文庫)
◇ マンボウ最後の名推理 青春出版社、2003
◇ マンボウ阪神狂時代 新潮社、2004、文庫
◇ どくとるマンボウ回想記 日本経済新聞社、2007「私の履歴書」に掲載
◇ マンボウ最後の大バクチ 新潮社、2009
◇ マンボウ家の思い出旅行 実業之日本社、2010
◇ マンボウ家族航海記 実業之日本社、2011
◇ 巴里茫々 新潮社、2011

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