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詩人、評論家  吉本隆明 さん死去

2012年(平成24年)3月16日 死去 享年87歳

吉本隆明写真  

詩人、評論家  吉本隆明 さん死去

戦後の思想界に大きな影響を与えた詩人で評論家の 吉本 隆明(よしもと たかあき)さんが2012年(平成24年)3月16日午前2時13分、肺炎のため東京都文京区の日本医大付属病院で死去した。87歳だった。

晩年まで独自の思考を重ね、日本と世界の状況に鋭いまなざしを向け続けた。今年1月から肺炎で闘病生活を送っていた。葬儀は近親者のみで行う。喪主は長女、多子(さわこ)=漫画家のハルノ宵子(よいこ)さん。=次女は作家のよしもとばななさん。

人物 / 略歴

吉本 隆明(よしもと たかあき、1924年(大正13年)11月25日 ~ 2012年3月16日)

東京市月島生まれ。「隆明」を音読みして「りゅうめい」と読まれることも多い(有職読み)。詩人、評論家。

日本の思想家、詩人、評論家、東京工業大学世界文明センター特任教授(講義はビデオ出演のみ)。

日本の言論界を長年リードし、「戦後最大の思想家」と呼ばれている。

◆ 略 歴

実家は熊本県天草市から転居してきた船大工。兄2人姉1人妹1人弟1人の6人兄弟。

1937年(12歳)東京府立化学工業学校(現 東京都立科学技術高等学校)入学。

1942年(17歳)米沢高等工業学校(現 山形大学工学部)入学。

1943年から宮沢賢治、高村光太郎、小林秀雄、横光利一、保田与重郎 、仏典等の影響下に本格的な詩作をはじめる。

1945年東京工業大学に進学。

1947年9月に東京工業大学電気化学科卒業。

1949年、25歳のとき『ランボー若しくはカール・マルクスの方法についての諸注』を、「詩文化」に執筆。

◆ 1950年代

1954年2月、「荒地新人賞」を受賞。また、同人として、鮎川信夫、らが主宰する「荒地詩集」に参加する。

1956年、初代全学連委員長の武井昭夫と共同で著した『文学者の戦争責任』で、戦時中の壺井繁治・岡本潤らの行動を批判し是非を厳しく問うた。

1958年には、戦前の共産主義者たちの転向を論じた『転向論』を『現代批評』創刊号に発表。

1959年、「マチウ書試論」「転向論」等を載せた『芸術的抵抗と挫折』(未來社刊)を刊行した。

◆ 1960年代 ~ 1970年代

1960年1月、「戦後世代の政治思想」を『中央公論』に発表。また同誌4月号では共産主義者同盟全学連書記長島成郎らと座談会を行うなど、吉本は60年安保を、先鋭に牽引した全学連主流派に積極的に同伴することで通過した。

無数の人々が参加した安保反対のデモのなか、6月15日国会構内抗議集会で演説。鎮圧に出た警官との軋轢で死者まで出た流血事件の中で100人余と共に「建造物侵入現行犯」で逮捕された。18日釈放。逮捕、取調べの直後に、近代文学賞を受賞する。

60年安保直後に、その総括をめぐって全学連主流派が混乱状態に陥った以降は、「自立の思想」を標榜して雑誌「試行」を創刊(61年9月)。この『試行』において吉本は、既成のメディア・ジャーナリズムによらず、ライフワークと目される『言語にとって美とは何か』、『心的現象論』を執筆・連載した。

吉本のいわゆる「理論的」書物、『言語にとって美とはなにか』(1965)『共同幻想論』(1968)『心的幻想論序説』(1971)『マス・イメージ論』(1984)といった主著への批判は刊行直後から、そして現在ではさまざまな側面から出揃い、核心的著作は「奪冠」されている、と論ずる評者さえいるが、吉本への「知の巨人」という評価・呼称は、現在でも続き、広く共有されている。

◆ 1980年代

1980年代に入ると当時の豊かな消費社会の発生と連動し、テレビや漫画・アニメなどを論じた『マス・イメージ論』や、主に都市論の『ハイ・イメージ論I~III』を発表。

サブカルチャーを評価し、忌野清志郎・坂本龍一・ビートたけしらを評価した。

また、『共同幻想論』『言語にとって美とは何か』『心的現象論序説』など、代表著作が角川文庫から刊行された。

著書も、「思想家」としては異例なほど、多数のものを執筆、刊行するようになる。元々、大学等に属さず「在野の人」であった吉本は、「売文家」としての意識が強い人であったが、だとしても異常な量である。

◆ 1990年代

冷戦構造崩壊後の1994年には、かつての自らの『転向論』を意識した「わが転向」を文藝春秋に発表。

1995年に起った阪神大震災とオウムの地下鉄サリン事件にかんしては、「日本の切れ目を象徴」し、とくにオウムの無差別テロは「一世紀のうちに、何回も起らない20世紀ではソ連の崩壊に次ぐほどの大事件、ここで戦後民主主義がいかに無力だったかということが誰の目にもあきらかになり、戦後の左翼運動のあらゆるラジカリズムー過激な反体制運動が全部超えられた」としている。

1996年8月、静岡県田方郡土肥町の屋形海水浴場で遊泳中に溺れ意識不明の重体になり緊急入院したが、集中治療室での手当が功を奏し一命を取り留めた。

◆ 2000年以降

2003年『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞を、『吉本隆明全詩集』で藤村記念歴程賞を受賞した。

2008年には「試行」上で1997年の終刊まで執筆した『心的現象論・本論』が文化科学高等研究院出版局から出版された。

2009年、第19回宮沢賢治賞受賞。

2012年3月16日、肺炎のため東京都の日本医科大学付属病院で逝去。満87歳没。

特記事項

漫画家のハルノ宵子は長女。 作家のよしもとばななは次女。

◆ 吉本隆明 著書 / 単著(2000年代)

◇ 『写生の物語』(講談社, 2000年6月)
◇ 『幸福論』(青春出版社, 2001年3月)
◇ 『心とは何か』(弓立社, 2001年6月)
◇ 『悪人正機 Only is not lonely』(朝日出版社, 2001年6月)
◇ 『心とは何か 心的現象論入門』(弓立社, 2001年6月)
◇ 『今に生きる親鸞』(講談社+α新書, 2001年9月)
◇ 『柳田国男論・丸山真男論』 (ちくま学芸文庫、2001年9月)
◇ 『食べもの探訪記』(光芒社, 2001年11月)
◇ 『読書の方法 なにを、どう読むか』(光文社, 2001年11月、同知恵の森文庫, 2006年5月)
◇ 『吉本隆明のメディアを疑え あふれる報道から「真実」を読み取る法』(青春出版社, 2002年4月)
◇ 『老いの流儀』(日本放送出版協会, 2002年6月)
◇ 『ひきこもれ ひとりの時間をもつということ』(大和書房, 2002年12月、同文庫 2006年)
◇ 『夏目漱石を読む』(筑摩書房, 2002年11月)
◇ 『日々を味わう贅沢 老いの中で見つけたささやかな愉しみ』(青春出版社, 2003年2月)
◇ 『現代日本の詩歌』(毎日新聞社, 2003年4月)
◇ 『異形の心的現象 統合失調症と文学の表現世界』(批評社, 2003年12月)
◇ 『「ならずもの国家」異論』(光文社、2004年1月)
◇ 『人生とは何か』(弓立社, 2004年2月)
◇ 『吉本隆明代表詩選』(思潮社, 2004年4月)
◇ 『漱石の巨きな旅』(日本放送出版協会, 2004年7月)
◇ 『戦争と平和』(文芸社, 2004年8月)
◇ 『超恋愛論』(大和書房, 2004年9月)
◇ 『仏教論集成』(春秋社, 2004年11月)
◇ 『吉本隆明「食」を語る』(朝日新聞社, 2005年3月、朝日文庫 2007年)
◇ 『中学生のための社会科』(市井文学, 2005年3月)
◇ 『幼年論 21世紀の対幻想について』(2005年6月)
◇ 『際限のない詩魂 わが出会いの詩人たち』(思潮社, 2005年1月)
◇ 『時代病』(ウェイツ, 2005年7月)
◇ 『13歳は二度あるか 「現在を生きる自分」を考える』(大和書房, 2005年9月)
◇ 『詩学叙説』(思潮社, 2006年1月)
◇ 『家族のゆくえ』(光文社, 2006年3月)
◇ 『詩とはなにか 世界を凍らせる言葉』(思潮社, 2006年3月)
◇ 『カール・マルクス』(光文社文庫, 2006年3月)
◇ 『初期ノート』(光文社文庫, 2006年7月)
◇ 『還りのことば 吉本隆明と親鸞という主題』(雲母書房 , 2006年5月)
◇ 『老いの超え方』(朝日新聞社, 2006年5月)
◇ 『甦るヴェイユ』(洋泉社, 2006年9月)
◇ 『思想とはなにか』(春秋社, 2006年10月)
◇ 『生涯現役』(洋泉社, 2006年11月)
◇ 『思想のアンソロジー』(筑摩書房, 2007年1月)
◇ 『真贋』(講談社インターナショナル, 2007年2月)
◇ 『吉本隆明自著を語る』(ロッキング・オン, 2007年6月)
◇ 『よせやぃ。』(ウェイツ, 2007年9月)
◇ 『日本語のゆくえ』(光文社, 2008年1月)
◇ 『「情況への発言」全集成1 1962~1975』(洋泉社MC新書, 2008年1月)
◇ 『「情況への発言」全集成2 1976~1983』(洋泉社同, 2008年3月)
◇ 『「情況への発言」全集成3 1984~1997』(洋泉社同, 2008年5月)
◇ 『心的現象論・本論』(文化科学高等研究院出版局, 2008年7月)
◇ 『 「芸術言語論」への覚書』 (李白社、2008年)
◇ 『貧困と思想』(青土社、2008年)
◇ 『日本近代文学の名作』 (新潮文庫、2008年)
◇ 『詩の力』(新潮文庫、2009年)

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