追悼の森 =車谷 長吉さん死去=

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直木賞作家 車谷 長吉 さん死去

2015年(平成27年)5月17日 死去 享年69歳

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直木賞作家 車谷 長吉 さん死去

小説「赤目四十八瀧心中未遂」などの作品で知られる、直木賞作家の 車谷 長吉(くるまたに ちょうきつ)さんが 2015年(平成27年)5月17日午前8時47分、誤嚥性(ごえんせい)の窒息のため東京都文京区内の病院で死去した。69歳だった。

慶大卒業後、広告代理店や出版社に勤務する傍ら、私小説を執筆。1993年、親族の死を題材にした私小説「鹽壺の匙」で三島由紀夫賞。1997年に「漂流物」で平林たい子文学賞。1998年(平成10年)に「赤目四十八瀧心中未遂」で第119回直木賞を受賞。2003年、同作は荒戸源次郎監督で映画化された。同日朝、自宅で倒れているのを、妻で詩人の高橋順子さんが発見。病院に搬送されたが、その後、死亡が確認された。3年ほど前から体調を崩し自宅で療養していたという。

人物 / 略歴

車谷 長吉(くるまたに ちょうきつ、1945年7月1日 ~ 2015年5月17日)

兵庫県飾磨市(現:姫路市飾磨区)出身。本名は車谷嘉彦(くるまたに よしひこ)。作家、俳人。

妻は詩人の高橋順子。

かつては「反時代的毒虫」としての「私小説作家」を標榜しており、播州地方の方言を使った民衆言語で下層民の泥臭さを執拗に描き、近代と自己に疑問を投げかけるような苛烈な私小説において評価を受けた。

◆ 略 歴

姫路市立飾磨高等学校を経て、慶應義塾大学文学部独文科卒業。

高校3年で文学に目覚め、慶大卒業後も広告代理店や出版社に勤務する傍ら、私小説を執筆。

1972年に処女作『なんまんだあ絵』(『鹽壺の匙』所収)で、新潮新人賞の候補となる。

しかし、次第に小説を書くことに行き詰まり、会社員を辞して故郷へ戻る。

以後、30歳からの8年間は、旅館の下足番や料理人として、神戸、西宮、曽根崎、尼崎、三宮などのたこ部屋を転々と漂流する、住所不定の生活を送っていた。

しかし、担当編集者からの強い呼びかけもあり、再び東京へ行き作家として再デビューを果たす。白洲正子、江藤淳らに高く評価された。

1993年に『鹽壺の匙』で第43回芸術選奨文部大臣新人賞及び、第6回三島由紀夫賞を合わせて受賞。

1997年に『漂流物』で第25回平林たい子文学賞受賞、表題作は第113回芥川賞候補にもなった。

1998年、『赤目四十八瀧心中未遂』で、第119回(1998年上半期)直木賞を受賞。

同作は2003年に映画化され、特に評価が高い。

一方で、伊藤整との文学観の違いから、同作による1998年の伊藤整文学賞の小説部門の受賞を拒否している。

2001年に「武蔵丸」(『白痴群』所収)で第27回川端康成文学賞受賞。

俳人として句集も出している。

2004年4月、『新潮』(2004年1月号)掲載の私小説「刑務所の裏」で、事実と異なることを描かれ名誉を傷つけられたとして、俳人の齋藤慎爾に提訴された。

同年12月、謝罪して和解。車谷は「私小説作家」としての廃業を宣言した。

以降、史伝小説や掌編小説、聞き書き小説などを中心に発表している。

2010年、新書館より『車谷長吉全集』全三巻が刊行された。

2015年5月17日、誤嚥による窒息のため死去。69歳没。

特記事項

筆名の「長吉」は唐代の詩人李賀にちなむ。

◆ 車谷長 / 吉著書

◇ 鹽壺(しおつぼ)の匙 新潮社、1992
◇ 漂流物 新潮社、1996
◇ 赤目四十八瀧心中未遂 文藝春秋、1998
◇ 業柱抱き 新潮社、1998
◇ 金輪際 文藝春秋、1999
◇ 白痴群 新潮社、2000 のち「武蔵丸」と改題
◇ 車谷長吉句集 湯川書房、2000
◇ 文士の魂 新潮社、2001
◇ 錢金について 朝日新聞社、2002
◇ 贋世捨人 新潮社、2002
◇ 忌中 文藝春秋、2003
◇ 愚か者 畸篇小説集 角川書店、2004
◇ 反時代的毒虫 - 対談集 平凡社新書、2004
◇ 飆風 講談社、2005
◇ 女塚―初期作品輯 作品社、2005
◇ 雲雀の巣を捜した日(随筆集) 講談社、2005
◇ 文士の生魑魅 新潮社、2006
◇ 世界一周恐怖航海記 文藝春秋、2006
◇ 灘の男 文藝春秋、2007
◇ 物狂ほしけれ(エッセイ集) 平凡社、2007
◇ 蜘蛛の巣(句集) 湯川書房、2007
◇ 四国八十八ヶ所感情巡礼 文藝春秋、2008
◇ 史伝 隠国 飾磨屋書店、2008
◇ 阿呆者(随筆集) 新書館、2009
◇ 車谷長吉全集 全3巻 新書館、2010
◇ 妖談 文藝春秋、2010
◇ 人生の四苦八苦 新書館、2011
◇ 車谷長吉の人生相談 人生の救い 朝日文庫、2012

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