追悼の森 =永井荷風さん死去=

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作家  永井荷風 さん死去

1959年(昭和34年)4月30日 死去 享年79歳

永井荷風写真  

作家  永井荷風 さん死去

日記文学の名作と誉れ高い『断腸亭日乗』を記した作家、永井 荷風(ながい かふう)さんが1959年(昭和34年)4月30日、胃潰瘍(いかいよう)に伴う吐血による心臓麻痺のため千葉県市川市の自宅で死去した。79歳だった。

同日午前9時ごろ、身の回りの世話をしている家政婦によって 床の中で血を吐いて倒れているところを発見された。死の前日まで40年以上にわたって書き続けられた荷風の日記「断腸亭日乗」には、「4月29日、祭日、陰」と最後の文字が記されていた。1952年(昭和27年)に文化勲章を受章した。

人物 / 略歴

永井 荷風(ながい かふう、1879年(明治12年)12月3日 ~ 1959年(昭和34年)4月30日)

東京都文京区春日二丁目に生まれる。本名は永井 壮吉(ながい そうきち、旧字体:壯吉)。小説家。

号に金阜山人(きんぷさんじん)。および、断腸亭主人(だんちょうてい しゅじん)ほか。

◆ 略 歴

永井久一郎と恒(つね)の長男として、東京市小石川区金富町四十五番地(現文京区春日二丁目)に生まれた。

黒田小学校初等科、東京府尋常師範学校附属小学校高等科(現・東京学芸大学附属竹早小学校)と進む。

1891年に高等師範学校附属尋常中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)2年に編入学した。

◆ 文学への目覚め

中学在学中は、病気による長期療養が元で一年留年。1897年3月中学を卒業する。

同年9月には家族と上海に旅行し、帰国後の1898年、旅行記『上海紀行』を発表。これが現存する荷風の処女作といわれている。

同時期に神田区一ツ橋の高等商業学校附属外国語学校清語科に臨時入学した(欠席が過ぎて1899年除籍)。

◆ 新進作家として

1902年から翌年にかけ、『野心』、『地獄の花』、『夢の女』、『女優ナナ』を刊行する。特に『地獄の花』は森鴎外に絶賛され、彼の出世作となる。

◆ 充実の時代

1908年(明治41年)(29歳)、『あめりか物語』を発表。

東京朝日新聞に『冷笑』が連載され、その他『新帰朝者日記』『深川の唄』などの傑作を発表するなど荷風は新進作家として注目された。1910年、森鴎外と上田敏の推薦で慶應義塾大学文学部の主任教授となる。

◆ 私生活の破綻

華やかな教授職の一方で芸妓との交情を続けたため、私生活は必ずしも安泰でなく周囲との軋轢を繰り返した。

1912年、商家の娘と結婚させられたが、1913年に父が没して家督を継いで間もなく離縁している。

1914年、新橋の芸妓・八重次(のちの藤蔭静枝)を入籍して、末弟威三郎や親戚との折り合いを悪くした。しかも八重次との生活も、翌年には早くも別居、荷風は京橋区築地(現中央区築地)の借家へ移った。

関係した女性は、自らが『断腸亭日乗』1936年1月30日の記事に列記している。

◆ 新境地開拓

1926年(47歳)ころから、銀座のカフェーに出入りする。荷風の創作の興味は旧来の芸者から新しい女給や私娼などに移り、1931年『つゆのあとさき』、1934年『ひかげの花』など新境地の作品を作り出す。

◆ 戦後の復活とその後

戦後は、1949年から翌年にかけて、浅草ロック座などで『渡り鳥いつ帰る』『春情鳩の街』などの荷風作の劇が上演され、荷風自身特別出演として舞台に立ち、楽屋では踊り子たちと談笑する姿が新聞に載るなど話題を集めている。

◆ 孤老の晩年とその死

1952年、わが国近代文学史上に独自の巨歩を印した」との理由で文化勲章を受章する。翌年日本芸術院会員に選ばれるなど名誉に包まれた。

1959年3月1日、長年通い続けた浅草アリゾナで昼食中、『病魔歩行殆困難』(日乗)となる。

1959年(昭和34年)4月30日、胃潰瘍(いかいよう)に伴う吐血による心臓麻痺のため千葉県市川市の自宅で死去した。享年79歳。

特記事項

自宅で見つかった遺体の傍らに置かれたボストンバッグには、全財産を常に持ち歩くという習癖の通り 総額2334万円を越える銀行預金の通帳と現金31万円余が入れられていた。

◆ 永井荷風 / 主な作品 ・ 単行本

◇ 『地獄の花』、金港堂(1902)/ 『明治の文学 25 永井荷風・谷崎潤一郎』、筑摩書房(2001)
◇ 『夢の女』、新声社(1903)/ 集英社文庫(1993)
◇ 『あめりか物語』、博文館(1908)/ 岩波文庫(2002)
◇ 『狐』、中学世界(雑誌)(1909)/ 『明治の文学 25 永井荷風・谷崎潤一郎』、筑摩書房(2001)所収。(余丁町の家の思い出)
◇ 『ふらんす物語』、博文館(1909)(発禁)/ 岩波文庫(2002)
◇ 『冷笑』、佐久良書房(1910)/ 『明治文学全集 73 永井荷風集』、筑摩書房 (1977)所収
◇ 『すみた川』、籾山書店(1911)/ 『すみだ川 新橋夜話 他一篇』、岩波文庫(1987)
◇ 『新橋夜話』、籾山書店(1912)/ 『すみだ川 新橋夜話 他一篇』、岩波文庫(1987)
◇ 『珊瑚集』(訳詩集)、籾山書店(1913)/ 岩波文庫(1991)
◇ 『日和下駄』、籾山書店(1915)/ 講談社文芸文庫(1999)
◇ 『腕くらべ』、十里香館(1918)/ 岩波文庫(1987)
◇ 『江戸芸術論』、春陽堂(1920)/ 岩波文庫(2000)
◇ 『おかめ笹』、春陽堂(1920)/ 岩波文庫(2002)
◇ 『雨しょうしょう 』、春陽堂(1922)/ 『雨?々・雪解』、岩波文庫(1934)
◇ 『下谷叢話』、春陽堂(1926)/ 岩波文庫(2000)
◇ 『つゆのあとさき』、中央公論社(1931)/ 岩波文庫(1987)
◇ 『ぼく東綺譚』、岩波書店(1937)/ 角川文庫(2009)
◇ 『ひかげの花』、中央公論社(1946)/ 『ぼく東綺譚・ひかげの花』旺文社文庫(1977)
◇ 『問はずがたり』、扶桑書房(1946)/ 『踊子・勲章・問はずがたり』、岩波文庫(1956)
◇ 『来訪者』、筑摩書房(1946)/ 『浮沈・来訪者』、新潮文庫(1951)
◇ 『勲章』、扶桑書房(1947)/ 『踊子・勲章・問はずがたり』、岩波文庫(1956)
◇ 『浮沈』、中央公論社(1947)/ 『浮沈・来訪者』、新潮文庫(1951)
◇ 『踊子』、井原文庫(1948)/ 『踊子・勲章・問はずがたり』、岩波文庫(1956)
◇ 『葛飾土産』、中央公論社(1950)/ 『日本の名随筆 別巻32』、作品社(1993)
◇ 『断腸亭日乗』全7冊(1917年以降の日記)、岩波書店(1980 - 1981)/ 磯田光一編『摘録断腸亭日乗 上下』岩波文庫(1987)

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