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画家、絵本作家 いわさき ちひろ さん死去

1974年(昭和49年)8月8日 死去 享年55歳

いわさきちひろ写真  

画家、絵本作家 いわさき ちひろ さん死去

こどもの水彩画に代表される画家の いわさき ちひろ さんが1974年(昭和49年)8月8日、原発性肝臓癌のため死去した。55歳だった。

子どもを生涯のテーマとして描き続け、つねに「子どもの幸せと平和」をテーマとした。1973年(昭和48年)に「ことりのくるひ」(至光社)でボロー ニャ国際児童図書展グラフィック賞等を受賞。その他の代表作に「おふろでちゃぷちゃぷ」(童心社)、「あめのひのおるすばん」(至光社)、「戦火のなかの子どもたち」(岩崎書店)などがある。前年秋に肝臓癌が見つかっていた。

人物 / 略歴

いわさきちひろ(本名松本知弘(まつもと ちひろ、旧姓岩崎)1918年12月15日 ~ 1974年8月8日、女性)

福井県武生市(現在の越前市)に生まれる。 画家、絵本作家。

左利き。つねに「子どもの幸せと平和」をテーマとした。初期作品には、岩崎ちひろ、岩崎千尋、イワサキチヒロ名義で発表されたものが存在する。

夫は日本共産党元国会議員松本善明。孫は絵本作家の松本春野。

◆ 略 歴

東京府立第六高等女学校卒。

1918年、雪の降る師走の朝にちひろは三姉妹の長女として生まれた。

岩崎家は当時としては非常に恵まれた家庭であり、父 正勝はカメラも所有しており、当時の写真が数多く残っている。

ちひろは幼少から絵を描くのが得意で、小学校の学芸会ではたびたび席画(舞台上で即興で絵を描くこと)を行うほどだった。

入学した東京府立第六高等女学校(現在の東京都立三田高等学校)は、生徒の個性を重んじ、ここでもちひろは絵がうまいと評判だった。

女学校を卒業したのち、第六高女補習科に進んだ。18歳になるとコロンビア洋裁学院に入学し、その一方で小田周洋に師事して藤原行成流の書を習い始めた。

1939年(20歳)4月、三人姉妹の長女だったちひろは両親の薦めを断り切れずに婿養子を迎えることになった。相手の青年はちひろに好意をもっていたものの、ちひろのほうではどうしても好きになれなず形だけの結婚であった。

6月にはいやいやながら夫の勤務地である満州・大連に渡ったが、翌年、夫の拳銃自殺という不幸な結果により帰国することになった。

◆ 善明との出会いと画家活動

1946年(27歳)1月、宮沢賢治のヒューマニズム思想に強い共感を抱いていたちひろは、戦前、戦中期から一貫して戦争反対を貫いてきた日本共産党の演説に深く感銘し、勉強会に参加したのち入党した。5月には党宣伝部の芸術学校で学ぶため、両親に相談することなく上京した。

東京では人民新聞社の記者として働き、また丸木俊に師事してデッサンを学んだ。この頃から数々の絵の仕事を手がけるようになり、紙芝居『お母さんの話』(1949年)をきっかけに画家として自立する決心をした。

1949年(30歳)の夏、党支部会議で演説する青年松本善明と出会う。

翌1950年1月21日、レーニンの命日を選び、彼らは二人きりのつつましい結婚式を挙げた。ちひろは31歳、善明は23歳であった。

1951年4月、ちひろは長男・松本猛を出産するが狭い借間で赤ん坊を抱えて画家の仕事を続けることは困難であった。6月、二人はやむを得ず信州松川村に開拓農民として移住していたちひろの両親のもとに猛を預けることにした。

善明は、1951年に司法試験に合格し、1952年4月に司法修習生となる。善明は1954年4月に弁護士の仕事を始めて自由法曹団に入り、弁護士として近江絹糸争議、メーデー事件、松川事件等にかかわり、ちひろは夫を背後から支えた。

1963年、善明は日本共産党から衆議院議員(東京4区)に立候補し落選したものの、1967年に初当選。ちひろは画家、1児の母、老親の世話、大所帯の主婦としての活動と並行して国会議員の妻として忙しい日を送ることになる。

◆ 童画家活動

1940年代から50年代にかけてのちひろは油彩画も多く手がけており、仕事は広告ポスターや雑誌、教科書のカットや表紙絵などが主だった。

1952年ごろに始まるヒゲタ醤油の広告の絵は、自由に筆をふるわせてくれる貴重な仕事で、1954年には朝日広告準グランプリを受賞。ヒゲタの挿絵はちひろが童画家として著名になってからもおよそ20年間つづいた。

1956年、福音館書店の月刊絵本シリーズこどものとも12号で小林純一の詩に挿絵をつけて『ひとりでできるよ』を制作。これが初めての絵本となった。

1963年(44歳)、雑誌「子どものしあわせ」の表紙絵を担当することになったことがその後の作品に大きく影響を与える。1962年の作品『子ども』を最後に油彩画をやめ、以降はもっぱら水彩画に専念することにした。

1969年にカラー印刷になると、ちひろの代表作となるものがこの雑誌で多く描かれるようになった。この仕事は1974年に55歳で亡くなるまで続けられ、ちひろのライフワークともいえるものであった。

1968年『あめのひのおるすばん』が出版されると、それ以降ほぼ毎年のように新しい絵本を制作した。中でも1972年の『ことりのくるひ』はボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞した。

1972年、童画ぐるーぷ車の展覧会に「こども」と題した3枚のタブローを出品。これがきっかけとなって制作された、ベトナム戦争の中での子どもたちを描いた1973年の『戦火のなかの子どもたち』がちひろ最後の絵本となった。

1973年秋、肝臓癌が見つかる。1974年8月8日、原発性肝臓癌のため死去した。享年55歳。

◆ 年 譜

1918年 - 12月15日、建築技師である岩崎正勝と、女学校の教師である文江との間に、母の単身赴任先福井県武生市で長女として生まれる。
1919年 - 東京都に移る。
1933年 - 岡田三郎助に師事し、デッサン・油絵を習う。
1937年 - 小田周洋に師事し、藤原行成流の書を習う。
1939年 - 4月、婿養子を迎え結婚。6月、夫の勤務地である満州・大連に渡る。
1940年 - 2月、夫の自殺により帰国。再び小田周洋に師事。
1942年 - 中谷泰に師事し、再び油絵を描き始める。
1944年 - 4月、女子義勇隊に同行して満州・勃利に渡る。夏、戦況悪化のため帰国。
1945年 - 5月、空襲で家を焼かれ、母の実家長野県松本市に疎開。終戦を迎える。
1946年 - 疎開先の松本で日本共産党に入党。同年上京して人民新聞社の記者となる。日本共産党宣伝部・芸術学校に入り丸木俊に師事する。
1949年 - 松本善明と知り合う。紙芝居『お母さんの話』を描き、翌年文部大臣賞を受賞する。
1950年 - 1月、松本善明と結婚。
1951年 - 4月、長男・松本猛誕生。
1952年 - 東京都練馬区下石神井に家を建てる(後のちひろ美術館・東京)。
1972年 - 童画ぐるーぷ車の展覧会に3枚のタブローを出品。これが『戦火の中の子どもたち』制作のきっかけとなる。
1974年 - 8月8日、肝臓癌のため死去。享年55。
1977年 - 9月、自宅跡地にいわさきちひろ絵本美術館(後のちひろ美術館・東京)開館。
1980年 - 岩崎書店より『いわさきちひろ作品集』全7巻が出版される
1997年 - 4月、長野県北安曇郡松川村に安曇野ちひろ美術館開館。

特記事項

ちひろの没後も、ちひろの挿絵は様々な場面で用いられた。そのひとつに1981年の窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子著、講談社)がある。

1977年9月、下石神井の自宅跡地にちひろの個人美術館としていわさきちひろ絵本美術館を開館。

1997年4月、長野県北安曇郡松川村に広い公園を併設した安曇野ちひろ美術館が開館する。

◆ いわさきちひろ / 主要作品一覧 ・ 絵本(絵)

◇ 1960年 あいうえおのほん(浜田廣介文、童心社)[ISBN 9784494006113]
◇ 1965年 おはなしアンデルセン(アンデルセン原作、与田準一・川崎大治・松谷みよ子編著、童心社)[ISBN 9784494022991]
◇ 1965年 りゅうのめのなみだ(浜田廣介文、偕成社)[ISBN 9784033020105]
◇ 1966年 つるのおんがえし(松谷みよ子文、偕成社)[ISBN 9784033030500]
◇ 1967年 にんぎょひめ(アンデルセン原作、曽野綾子文、偕成社)[ISBN 9784033032504]
◇ 1967年 うらしまたろう(松谷みよ子文、偕成社)[ISBN 9784033031903]
◇ 1968年 あかいくつ(アンデルセン原作、神沢利子文、偕成社)[ISBN 9784033040202]
◇ 1968年 あかいふうせん(ラモリス原作、岸田衿子文、偕成社)[ISBN 9784033040707]
◇ 1969年 世界の名作1 青い鳥(メーテルリンク原作、高田敏子、世界文化社)[ISBN 9784418018031]
◇ 1969年 おにたのぼうし(あまんきみこ文、ポプラ社)[ISBN 9784591005293]
◇ 1970年 にじのみずうみ(坂本鉄男文、偕成社)[ISBN 9784033041902]
◇ 1970年 もしもしおでんわ(松谷みよ子文、童心社)[ISBN 9784494001071]
◇ 1970年 おふろでちゃぷちゃぷ(松谷みよ子文、童心社)[ISBN 9784494001088]
◇ 1971年 ゆきごんのおくりもの(長崎源之助作、新日本出版社)[ISBN 9784406001397]
◇ 1971年 あかちゃんのうた(松谷みよ子文、童心社)[ISBN 9784494001095]
◇ 1972年 ひさの星(斎藤隆介文、岩崎書店)[ISBN 9784265909070]
◇ 1992年 マッチうりの少女(アンデルセン原作、木村由利子訳、偕成社)[ISBN 9784034210802]
◇ 1984年改訂 おやゆびひめ(アンデルセン原作、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667814]
◇ 1984年改訂 りこうなおきさき(ガスター原作、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667869]
◇ 1984年改訂 しらゆきひめ(グリム原作、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667838]
◇ 1984年改訂 はくちょうのみずうみ(チャイコフスキー音楽より、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667821]
◇ 1984年改訂 ふたりのぶとうかい(ウェーバー音楽より、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667845]
◇ 1984年改訂 あおいとり(メーテルリンク原作、立原えりか文、講談社)[ISBN 9784062667852]

◆ いわさきちひろ / 絵本(絵・文)

◇ 1968年 あめのひのおるすばん(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400196]
◇ 1970年 あかちゃんのくるひ(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400332]
◇ 1971年 となりにきたこ(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400394]
◇ 1972年 ことりのくるひ(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400516]
◇ 1973年 戦火のなかの子どもたち(岩崎書店)[ISBN 9784265909148]
◇ 1973年 ゆきのひのたんじょうび(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400639]
◇ 1974年 ぽちのきたうみ(武市八十雄案、至光社)[ISBN 9784783400677]

◆ いわさきちひろ / 童話等挿絵

◇ 1966年 絵のない絵本(アンデルセン原作、山室静訳、童心社)[ISBN 9784494021017]
◇ 1967年 わたしがちいさかったときに(長田新編、童心社)[ISBN 9784494027866]
◇ 1968年 愛かぎりなく デカブリストの妻抄(ネクラーソフ詩、谷耕平訳、童心社)[ISBN 9784494021048]
◇ 1969年 花の童話集(宮沢賢治作、童心社)[ISBN 9784494026623]
◇ 1969年 鯉のいる村(岩崎京子著、岩崎ちひろ・東本つね絵、新日本出版社)[ISBN 9784406000741]
◇ 1970年 万葉のうた(大原富枝文、童心社)[ISBN 9784494021086]
◇ 1971年 たけくらべ(樋口一葉文、童心社)[ISBN 9784494021130]
◇ 1972年 あかまんまとうげ(岩崎京子文、童心社)[ISBN 9784494010097]
◇ 1972年 母さんはおるす(グェン・ティ作、高野功訳、新日本出版社)[ISBN 9784406031103]
◇ 1973年 きつねみちは天のみち(あまんきみこ作、大日本図書)[ISBN 9784477175942]
◇ 1975年 赤い蝋燭と人魚(小川未明作、童心社)[ISBN 9784494021178]
◇ 1981年 窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子著、講談社)

◆ いわさきちひろ / 紙芝居

◇ 1949年 おかあさんのはなし 稲庭桂子・文 教育紙芝居研究所
◇ 1954年 雪の女王 稲庭桂子・文 童心社
◇ 1956年 のみのかわでつくった王さまの長ぐつ 高橋五山・文 童心社
◇ 1958年 お月さまいくつ 稲庭桂子・文 童心社
◇ 1960年 人魚ひめ 稲庭桂子・文 童心社

◆ いわさきちひろ / 作品集

◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 1 素描の世界』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 2 ソビエトの旅・日本の旅-スケッチ集 1』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 3 ヨーロッパの旅・ハワイの旅-スケッチ集 2』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 4 にじいろの童画集-初期童画集』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 5 むらさきいろの童画集-中期童画集』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 6 ぎんいろの童画集-晩期童画集』 岩崎書店
◇ 1980年 『いわさきちひろ作品集 7 詩・エッセイ・日記ほか』 岩崎書店

◆ いわさきちひろ / 受賞歴

◇ 1950年 - 文部大臣賞(紙芝居『お母さんの話』)。
◇ 1956年 - 小学館児童文化賞。
◇ 1959年 - 厚生大臣賞(紙芝居『お月さまいくつ』)。
◇ 1961年 - サンケイ児童出版文化賞(絵本『あいうえおのほん』)。
◇ 1973年 - ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞(絵本『ことりのくるひ』)。
◇ 1974年 - ライプツィヒ国際書籍展銅賞(絵本『戦火のなかの子どもたち』)。

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