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作家  大佛次郞 さん死去

1973年(昭和48年)4月30日 死去 享年75歳

大佛次郞写真  

作家  大佛次郞 さん死去

小説、ノンフィクション、歴史記述など幅広い分野で活躍した作家の 大佛 次郞(おさらぎ じろう)さんが 1973年(昭和48年)4月30日、転移性肝臓がんのため死去した。75歳だった。

横浜市に生まれ、開化期の横浜を愛惜をこめて描いた名作「霧笛」や「幻燈」は 多くの人々を魅了した。代表作に「パリ燃ゆ」や「天皇の世紀」「帰郷」「赤穂浪士」などがあり、現代小説、歴史小説、ノンフィクション、さらには新歌舞伎や童話などまでを幅広く手がけ、昭和の文豪として 大衆文学に空前絶後の人気を集めた。 また、「鞍馬天狗」の作者としても親しまれた。1964年(昭和39年)に文化勲章を受章。

人物 / 略歴

大佛 次郞(おさらぎ じろう、新字体:大仏 次郎、1897年(明治30年)10月9日 ~ 1973年(昭和48年)4月30日)

神奈川県横浜市英町に生まれる。本名は野尻清彦(のじり きよひこ)。 作家・小説家。

『鞍馬天狗』シリーズの作者として有名で、現代小説、歴史小説、ノンフィクション、さらには新歌舞伎や童話などまでを幅広く手がけた。

◆ 略 歴

津久戸小学校から白金小に転校。東京府立一中、一高を経て、東京帝国大学法学部政治学科を卒業。その後、鎌倉高等女学校(現・鎌倉女学院高等学校)教師となった。ついで外務省条約局嘱託となり、この時代にさまざまなペンネームを駆使して小説、翻訳、翻案を書き、関東大震災後に退職して小説家の道に進んだ。

娯楽雑誌『ポケット』に事実上のデビュー作となる小説『隼の源次』を発表するときに初めて「大佛次郎」のペンネームを使い、以後これが終生彼のペンネームとなった。執筆当時彼が鎌倉市長谷の大仏(旧字体:大佛)の裏手に住んでいたことに由来する。

1964年に文化勲章受章。

1973年(昭和48年)4月30日に転移性肝臓癌で死去。享年75。

◆ 家族

父政助は、江戸時代に道成寺の山門の再建や本堂の修復などを手がけた宮大工・仁兵衛の子孫にあたり、和歌山市の倉田塾(吹上神社の神主・倉田績の家塾)に入り、その後、日本郵船に入社、勤勉実直な人だった。

妻は映画女優だった吾妻光(本名:原田酉子)。長兄は野尻抱影。抱影の娘政子が大佛の養女になった。

特記事項

買い集めたレコードで「家の軒が傾くほど」、大の音楽好きだった。また、愛猫家としても知られた。

★ 生地に近い港の見える丘公園に大佛次郎記念館がある。また鎌倉の邸宅は、週末だけ 大佛茶廊として一部公開されている。

◆ 大佛次郞 / 作品(小説)

◇ 『鞍馬天狗』 (1924~65)
◇ 『照る日くもる日』 (1927)
◇ 『赤穂浪士』 (1929)
◇ 『幽霊船伝奇』先進社 1929
◇ 『ごろつき船』改造社、1929 のち徳間文庫
◇ 『由比正雪』改造社 (1930)
◇ 『水船地獄』天人社 1930
◇ 『日蓮』先進社、1931 のち徳間文庫
◇ 『白い姉』改造社、1932
◇ 『日本人オイン』羽石光志絵 講談社 1932
◇ 『鼠小僧次郎吉』新潮社 1932 のち徳間文庫
◇ 『ふらんす人形』新潮社 1932
◇ 『山を守る兄弟』改造社 1933
◇ 『霧笛』新潮社 1933 のち角川文庫、徳間文庫
◇ 『夜の真珠』岡倉書房 1934
◇ 『安政の大獄』改造社 1935 のち徳間文庫
◇ 『樹氷』新小説社 1935
◇ 『異風黒白記』昭和長篇小説全集 新潮社、1935
◇ 『手紙の女』竹村書房 1935
◇ 『水戸黄門』中央公論社 1935 のち徳間文庫
◇ 『天狗騒動』維新歴史小説全集 第4巻 改造社 1936
◇ 『大楠公』改造社 1936 「大楠公楠木正成」徳間文庫
◇ 『大久保彦左衛門』博文館、1936 のち徳間文庫
◇ 『海の女』新潮社 1937
◇ 『雪崩』新潮社 1937
◇ 『日本の星之助』大日本雄辯會講談社 1938
◇ 『花火の街』青木書店 1938
◇ 『花紋』実業之日本社 1939
◇ 『薔薇の騎士』中央公論社 1939
◇ 『熱風』鱒書房コバルト叢書 1940
◇ 『夕焼富士』博文館 1940
◇ 『からす組』(1941)
◇ 『その人』博文館、1941 「その人 最後の旗本」徳間文庫
◇ 『雲雀は空に』博文館 1941
◇ 『阿片戦争』モダン日本社 1942 のち角川文庫
◇ 『氷の花』六興商会出版部 1942
◇ 『死よりも強し 小説』八紘社杉山書店 1944
◇ 『みくまり物語』白林書房 1944
◇ 『宗十郎頭巾』実業之日本社 1945
◇ 『源実朝』六興出版社 1946 のち徳間文庫
◇ 『海の男』斎藤五百枝絵 尚文館 1947
◇ 『乞食大将』苦楽社 1947 「乞食大将後藤又兵衛」徳間文庫
◇ 『真夏の夜の夢』丹頂書房 1947
◇ 『裸体』竹書房 1947
◇ 『幻燈』角川文庫、1947
◇ 『黒潮』毎日新聞社 1948
◇ 『氷の階段』万里閣 1948
◇ 『春雨の琴』東和社 1949
◇ 『帰郷』苦楽社(1949) のち新潮文庫 日本芸術院賞受賞
◇ 『新樹』苦楽社 1949
◇ 『宗方姉妹』朝日新聞社 (1950) のち角川文庫、新潮文庫
◇ 『冬の紳士』新潮社 1951 のち講談社大衆文学館
◇ 『おぼろ駕籠』中央公論社、1951 のち徳間文庫
◇ 『激流』文芸春秋新社 1953 「激流 渋沢栄一の若き日」徳間文庫
◇ 『旅路』朝日新聞社 1953 のち角川文庫、新潮文庫
◇ 『四十八人目の男』河出新書 1955 のち徳間文庫、中公文庫
◇ 『逢魔の辻』1955 河出新書 のち徳間文庫
◇ 『風船』新潮社 1955 のち文庫、角川文庫
◇ 『ゆうれい船』(1956)
◇ 『薩摩飛脚』同光社、1956 のち徳間文庫
◇ 『浅妻舟』光風社 1957
◇ 『おかしな奴』光風社 1957
◇ 『橋』毎日新聞社 1958
◇ 『冬あたたか』光風社 1959
◇ 『桜子』新潮社 1960 「桜子 湖上の姫」徳間文庫
◇ 『虹の橋』光風社 1961
◇ 『お化け旗本』光風社 1962
◇ 『花の咲く家』光風社 1962
◇ 『炎の柱』毎日新聞社 1962 「炎の柱織田信長」徳間文庫
◇ 『月の人』新潮社、1964 「月の人豊臣秀頼」徳間文庫
◇ 『赤屋敷の女』朝日新聞社 1967
◇ 『道化師』光風社書店 1967
◇ 『人美しき』日本文華社・文華新書 小説選集 1967
◇ 『夕顔小路』毎日新聞社 1967
◇ 『鞍馬の火祭』光風社書店 1972

◆ 大佛次郞 / 作品(ノンフィクション)

◇ 『ドレフュス事件』天人社 (1930) のち朝日選書、文庫
◇ 『ブウランジェ将軍の悲劇』改造社 (1936) のち朝日選書
◇ 『詩人』苦楽社 1946
◇ 『地霊』
◇ 『パナマ事件』朝日新聞社 (1960)
◇ 『パリ燃ゆ』朝日新聞社 (1964) のち選書、文庫(パリ・コミューン)
◇ 『天皇の世紀』(1969~73、未完)

◆ 大佛次郞 / 作品(児童文学)

◇ 『狼隊の少年』湯川弘文社 1936 選抜少年少女読物文庫
◇ 『花丸小鳥丸』中央公論社 1941
◇ 『山本五十六元帥』有岡一郎畫 學藝社 1944
◇ 『薩英戦争』笠松紫浪絵 北光書房 1944
◇ 『父をたずねて』落合登絵 中央公論社 1952
◇ 『スイッチョねこ』朝倉摂絵 講談社 1971

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