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作曲家、エッセイスト  團伊玖磨 さん死去

2001年(平成13年)5月17日 死去 享年77歳

團伊玖磨写真  

作曲家、エッセイスト  團伊玖磨 さん死去

日本を代表するクラシック音楽の作曲家のひとりで、童謡「ぞうさん」の作曲でも知られる作曲家の 團 伊玖磨(だん いくま)さんが 2001年(平成13年)5月17日午前1時40分(日本時間午前2時40分)、心不全のため中国江蘇省の蘇州市第二人民病院で死去した。77歳だった。

日本を代表するクラシック音楽の作曲家のひとりで、オペラ、交響曲、歌曲などのクラシック音楽のほか、童謡、映画音楽、放送音楽など幅広いジャンルを手がけた。著作に「エスカルゴの歌」や「パイプのけむり」などがある。日中文化交流協会の代表団団長として中国を訪れていた。遺体は翌18日、神奈川県横須賀市秋谷の自宅に帰った。

人物 / 略歴

團 伊玖磨(だん いくま、1924年(大正13年)4月7日 ~ 2001年(平成13年)5月17日)

東京・四谷の慶應病院で生まれ、原宿(現:渋谷区神宮前)で育った。作曲家、エッセイスト。

作曲家としてはオペラ、交響曲、歌曲などのいわゆるクラシック音楽のほか、童謡、映画音楽、放送音楽と、幅広いジャンルを手がけた。

日本を代表するクラシック音楽の作曲家のひとりである。2001年(平成13年)、中国・蘇州にて客死した。

◆ 略 歴

1924年(大正13年)、実業家、学者、政治家であった男爵・團伊能の子として生まれた。

7歳となった1931年(昭和6年)、青山師範学校附属小学校に入学。

翌年3月、祖父・團琢磨が暗殺された(血盟団事件)ことで、幼心に、物質的な栄達への疑問を抱くようになり、後に芸術を志す動機のひとつとなった。

1937年(昭和12年)、13歳の際に青山学院中学部に入学。

大東亜戦争中の1942年(昭和17年)に東京音楽学校(現:東京藝術大学)作曲部に入学した。学校では下総皖一に和声学と対位法、橋本國彦に近代和声学と管弦楽法、細川碧に楽式論を学んだ。また、学外では山田耕筰に指導を受けた。

20歳になった1944年(昭和19年)、音楽学校に在籍のまま陸軍戸山学校軍楽隊に入隊した。軍楽隊ではバスドラムを担当し、芥川也寸志とともに編曲も担当した。

翌年には復員して東京音楽学校を卒業し、諸井三郎に対位法、楽曲分析を学んだ。歌曲集『六つの子供の歌』、管弦楽付き独唱曲二つの抒情詩『村の歌』『小諸なる古城のほとり』を作曲した。

◆ 作曲家およびエッセイストとして

◇ 1946年 昭和21 - 22歳 近衛秀麿に管弦楽法、指揮法を学ぶ。
◇ 1946年 昭和21 - 22歳 『二つの抒情詩』(管弦楽付き独唱曲)で日本音楽連盟委嘱コンクールに入選。歌曲集『五つの断章』(北原白秋詩)を作曲。
◇ 1947年 昭和22 - 23歳 歌曲『花の街』(江間章子詩)を作曲。
◇ 1948年 昭和23 - 24歳 NHK専属作曲家となる。
◇ 1949年 昭和24 - 25歳 木下順二作品の民話劇『夕鶴』の演劇付帯音楽を作曲。
◇ 1950年 昭和25 - 26歳 『交響曲第1番イ調』を作曲。NHK創立25年記念管弦楽曲募集コンクールにて特選入賞。歌曲集『美濃びとに』(白秋詩)を作曲。
◇ 1952年 昭和27 - 28歳 オペラ『夕鶴』大阪で初演。北海道美幌農業高等学校校歌を作曲。
◇ 1953年 昭和28 - 29歳 芥川也寸志、黛敏郎と「三人の会」結成。
◇ 1954年 昭和29 - 30歳 東宝映画専属音楽監督。
◇ 1955年 昭和30 - 31歳 オペラ『聴耳頭巾』大阪で初演。
◇ 1958年 昭和33 - 34歳 オペラ『楊貴妃』(大佛次郎台本)初演(藤原歌劇団創立25周年記念東京公演)。
◇ 1958年 昭和33 - 34歳 混声合唱と管弦楽のための「慶應義塾式典曲」(作詞:堀口大學)を作曲、NHK交響楽団を指揮初演(1968年再演)。
◇ 1959年 昭和34 - 35歳 皇太子であった明仁親王の成婚を記念して『祝典行進曲』を作曲。
◇ 1964年 昭和39 - 40歳 東京オリンピック開会式にて『オリンピック序曲』、『祝典行進曲』、閉会式にて『祝典行進曲』を演奏。
◇ 1964年 昭和39 - 40歳 エッセイ『パイプのけむり』の連載を雑誌「アサヒグラフ」にて始める。
◇ 1965年 昭和40 - 41歳 『交響曲第5番』作曲。
◇ 1968年 昭和43 - 44歳 『パイプのけむり』、『続パイプのけむり』で第19回読売文学賞(随筆・紀行)を受賞。『混声合唱組曲「筑後川」』作曲。
◇ 1968年 昭和43 - 44歳 鳥取県民歌制定委員会作詞、團伊玖磨作曲の鳥取県民歌「わきあがる力」が制定される。
◇ 1972年 昭和47 - 48歳 オペラ『ひかりごけ』(武田泰淳原作)初演(第15回大阪国際フェスティバル)。
◇ 1973年 昭和48 - 49歳 日本芸術院会員に就任する。
◇ 1975年 昭和50 - 51歳 オペラ『ちゃんちき』(水木洋子台本)東京で初演。
◇ 1976年 昭和51 - 52歳 ソプラノ・ソロと管弦楽の為の『長良川』(江間章子詩)を作曲。
◇ 1978年 昭和53 - 54歳 合唱組曲『大阿蘇』(丸山豊詩)を作曲。
◇ 1982年 昭和57 - 58歳 横須賀市制75周年記念事業の一環として、合唱と管弦楽の為の組曲『横須賀』(栗原一登詩)を委嘱され作曲。
◇ 1983年 昭和58 - 59歳 ピアノ組曲『3つのノヴェレッテ』、合唱組曲『唐津』、組曲『木曽路』、子供の歌『道の子の歌』、『幻想曲第2番』等を作曲。
◇ 1985年 昭和60 - 61歳 『交響曲第6番「HIROSHIMA」』を広島平和コンサートで初演。
◇ 1994年 平成6 -   70歳 オペラ『素戔嗚』初演(神奈川芸術フェスティバル)。
◇ 1997年 平成9 -   73歳 9月3日に急性心筋梗塞を起こし、約1ヶ月間入院する。オペラ『建・TAKERU』初演(東京・新国立劇場柿落し公演)。
◇ 1999年 平成11 - 75歳 文化功労者に列せられる。
◇ 2000年 平成12 - 76歳 4月6日妻の和子が急性心筋梗塞で急死。「DAN YEAR 2000」開催。
◇ 2001年5月17日 - 平成13 - 77歳 日本中国文化交流協会主催の親善旅行で中国旅行中に心不全を起こし、蘇州市の病院で死亡した。

特記事項

エッセイ「パイプのけむり」は、1964年に『アサヒグラフ』で連載を始め、2000年に同誌が休刊するまで連載を続けていた。最終回では「自分が死ぬのが先か雑誌が休刊するのが先か」と予想していた。結局、雑誌休刊の翌年死去した。

◆ 團 伊玖磨 / 主な作品

歌劇

◇ 「夕鶴」(2幕/作:木下順二)
◇ 「聴耳頭巾」(3幕/作:木下順二)
◇ 「楊貴妃」(3幕5場/原作:大佛次郎)
◇ 「ひかりごけ」(2幕/原作:武田泰淳)
◇ 「ちゃんちき」(2幕4場/脚本:水木洋子)
◇ 「素戔嗚」(3幕4場/原作:古事記・日本書紀、脚本:團伊玖磨)
◇ 「建・TAKERU」(3幕/原作:古事記・日本書紀、脚本:團伊玖磨・小田健也)

交響曲

◇ 交響曲第1番 イ調
◇ 交響曲第2番 変ロ調
◇ 交響曲第3番
◇ 交響曲第4番
◇ 交響曲第5番
◇ 交響曲第6番「HIROSHIMA」(エドマンド・チャールズ・ブランデン)
◇ 交響曲第7番「邪宗門」(未完)2001年、蘇州で急死したのに伴い未完に終わった。

管弦楽作品

◇ 交響詩「平和来」(後に「挽歌」と改名)
◇ ブルレスケ風交響曲
◇ 管弦楽組曲「シルクロード」
◇ 交響組曲「アラビア紀行」
◇ 序曲「東京オリンピック」
◇ 管弦楽のための「祝典序曲」
◇ 「日本からの手紙第1番」
◇ 「日本からの手紙第2番」
◇ 「日本からの手紙第3番」
◇ 「シンフォニエッタ」(小交響曲)
◇ ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア第1番
◇ 管弦楽のための「高梁川」
◇ 管弦楽のための「夜」
◇ ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア第2番
◇ 交響幻想曲「万里長城」
◇ 管弦楽のための「飛天」
◇ 管弦楽のための「祝典曲」
◇ 管弦楽のための「飛天繚乱」

歌曲

◇ 六つの子供のうた(北原白秋)
◇ 五つの断章(北原白秋)
◇ 花の街(江間章子)
◇ わがうた(北山冬一郎)
◇ 萩原朔太郎に依る四つの詩
◇ 美濃びとに(北原白秋)
◇ 旅上(萩原朔太郎)
◇ はる(谷川俊太郎)
◇ 抒情歌(大木実)
◇ 三つの小唄(北原白秋)
◇ ジャン・コクトーに依る八つの詩(堀口大學訳)
◇ マレー乙女の歌へる(イヴァン・ゴル;堀口大學訳)

映画音楽 / 放送音楽

◇ ラジオ体操第2(3代目)(NHK)
◇ 大仏開眼(衣笠貞之助監督)
◇ 夫婦善哉(豊田四郎監督)
◇ 雪国(豊田四郎監督)
◇ ここに泉あり(今井正監督)
◇ 潜水艦イ-57降伏せず(松林宗恵監督)
◇ ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐(松林宗恵監督)
◇ 太平洋の翼(松林宗恵監督)
◇ 世界大戦争(松林宗恵監督)
◇ 台所太平記(豊田四郎監督)
◇ 太平洋奇跡の作戦 キスカ(丸山誠治監督)
◇ 馬鹿が戦車でやってくる(原作および音楽、山田洋次監督)

童謡

◇ おつかいありさん(関根栄一)
◇ ぞうさん(まど・みちお)
◇ やぎさんゆうびん(まど・みちお)
◇ カタツムリ(文部省唱歌)

※ その他、室内楽曲、吹奏楽、合唱曲、校歌、学歌など多数がある。

團伊玖磨 / 著作

◇ エスカルゴの歌
◇ パイプのけむり(シリーズ、全27巻)
◇ 舌の上の散歩道
◇ 好きな歌・嫌いな歌
◇ 私の日本音楽史
◇ 翻訳書 ダンヒルたばこ紳士(The Gentle Art of Smoking) アルフレッド・H・ダンヒル著
◇ 日向村物語
◇ 陸軍軍楽隊始末記
◇ 追跡ムソルグスキー「展覧会の絵」(NHK取材班と共著)

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