追悼の森 =花登 筺さん死去=

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小説家、脚本家 花登 筺 さん死去

1983年(昭和58年)10月3日 死去 享年55歳

花登 筺写真 花登 筺写真

小説家、脚本家 花登 筺 さん死去

大阪の商人を主人公とした商魂物・根性物を多数執筆した小説家、脚本家の 花登 筺(はなと こばこ)さんが 1983年(昭和58年)10月3日、肺癌のため死去した。55歳だった。本名は花登 善之助(はなと ぜんのすけ)。

昭和30年代の上方喜劇ブームの立役者であり、またテレビ草創期におけるスター脚本家であった。新幹線の車内でも原稿用紙に向かい、「カミカゼ作家」「新幹線作家」の異名も取った。生涯に書いた脚本の数は6000本を超えると言われる。また、劇団喜劇の主幹でもあった。主な作品に、『やりくりアパート』、『番頭はんと丁稚どん』、『細うで繁盛記』(『銭の花』)、『おからの華』、『道頓堀』、『船場』、『どてらい男』、『あかんたれ』、『ぬかるみの女』、『アパッチ野球軍』、『ぼてじゃこ物語』、『鮎のうた』、『女商一代 やらいでか!』などがある。

人物 / 略歴

花登 筺(はなと こばこ、 1928年(昭和3年)3月12日 ~ 1983年(昭和58年)10月3日)

滋賀県大津市出身。本名は花登 善之助(はなと ぜんのすけ)。小説家、脚本家。

◆ 略 歴

旧姓名・川崎善之助として、近江商人の家に生まれる。

花登家へ嫁いだ姉・八重の養子となり、花登姓に改めた。

1948年(昭和23年)、大津で「自主劇団 人間座」の結成に参加。

1951年(昭和26年)、同志社大学商学部卒業。

卒業後、大阪の綿糸問屋に勤務するも、肺結核により翌年退社。

療養後、作家を目指しラジオ局へラジオドラマの脚本を持ちこむなど、フリーの脚本家となる。

1954年(昭和29年)、東宝と契約してラジオの台本作家、ミュージックホールの構成・演出を手がける。

1958年(昭和33年)、大阪テレビ放送(のちに朝日放送と合併)の『やりくりアパート』で、脚本家としてデビュー。

松竹の支援で『劇団・笑いの王国』を設立。

当時花登の下で人気を博していた大村崑・芦屋雁之助・芦屋小雁らが追随するが、同じ花登グループだった佐々十郎・茶川一郎らは東宝からの慰留もあり残留、グループが分裂する結果となった。

やがて、劇団内に軋轢が生じ不協和音が次第に表面化していく中、花登は劇団解散を決めた。

1972年(昭和47年)、東宝の支援で新たに『劇団「喜劇」』を主宰。

1974年(昭和49年)、既に、妻である由美あづとの関係が悪化する中、花登と女優の星由里子との不倫問題が発覚した。

劇団の看板俳優である大村は、由美にも恩義があり、自身の妻・瑤子も由美と親しい仲であったため、板挟みとなり、花登の行動を容認できない状況に陥っていた。

結局、花登に劇団退団を申し出、花登と大村の長きにわたる「師弟関係」は終わりを告げた。

1975年(昭和50年)、由美あづさのとの離婚成立後、星と再婚。

1983年(昭和58年)10月3日、肺癌のため死去。享年55。

特記事項

没後、1983年(昭和58年)12月、朝日新聞社より「私の裏切り裏切られ史」が出版された。

病床で最後の力を振り絞って綴った自叙伝である。その赤裸々な表現は、「死を感じた人だからこそ書けた芸能界への遺書」として話題を呼んだ。

麻雀もプロ級の実力で、日本プロ麻雀連盟の設立に尽力した。

俳優の大和田獏に「獏」という芸名を与えた名付け親でもある。

◆ 受 賞

◇ 1968年(昭和43年)、『飛騨古系』(東海テレビ)で「明治百年記念芸術祭・文部大臣賞」を受賞。
◇ 1984年(昭和59年)、「滋賀県特別文化賞」を受賞。
◇ 1985年(昭和60年)、「ふるさと大津名誉文化賞」を追贈される。

◆ 弟 子(直弟子)

◆ 直弟子
◇ 花紀京 他

◆ 孫弟子
◇ レツゴーじゅん
◇ チャーリー浜
◇ 間寛平

◆ 主な著作

◇ 銭牝 徳間書店, 1965
◇ フグとメザシの物語 ああ童貞の巻 徳間書店, 1966
◇ フグとメザシの物語 おお女殺しの巻 徳間書店, 1966
◇ すててこ大将 徳間書店, 1966
◇ 銀座牝 夜にひらくモコ 徳間書店, 1966
◇ 大日本処女連 実業之日本社, 1966
◇ 男殺しのブルース 新銀座牝 徳間書店, 1967
◇ こわし屋甚六 徳間書店, 1967
◇ 堂島 徳間書店, 1968-69
◇ 脱がいでか ぼくのおんなコレクション 双葉社, 1968
◇ 祇園牝 徳間書店, 1968
◇ 船場 サンケイ新聞社出版局, 1968
◇ こぼんちゃん 双葉社, 1968
◇ 友禅川 徳間書店, 1969
◇ 道頓堀 読売新聞社, 1969
◇ 銭の花 1-10 講談社, 1970-73(細うで繁盛記としてドラマ化)
◇ 銭っ子 秋田書店, 1970-71(漫画原作、絵・水島新司、つくしんぼとして昼ドラ化)
◇ ぼてじゃこ物語 第1-3 講談社, 1971
◇ あまくちからくち 伏見屋御家訓物語 1-4 徳間書店, 1971-72
◇ 流れ蝶 徳間書店, 1971
◇ どんとこい 徳間書店, 1971
◇ ゆるしてんか! サンケイ新聞社出版局, 1972
◇ おんべこ・オンベコ 集英社, 1972
◇ 漫才師 日本文芸社, 1972
◇ どでかい女 サンケイ新聞社出版局, 1972
◇ どてらい男 立売堀界隈 全6部 徳間書店, 1972-74
◇ 土性っ骨・じゅんさい物語 講談社, 1972
◇ 丁稚 日本文芸社, 1972
◇ 花登筐長篇選集 全10巻 講談社、1973
◇ 家族戦争 日本文芸社, 1973
◇ らっきょうの花 2部 光文社, 1973
◇ おっ母ぁ淑女 実業之日本社, 1973
◇ 船場の女 毎日新聞社, 1974
◇ もってのほか 1 番町書房, 1974
◇ おからの華 第1-4 双葉社, 1974-76
◇ おおマリリンちゃん 桃園書房, 1975
◇ がんじがらめ 講談社, 1975-76
◇ 船場女炎 毎日新聞社, 1975
◇ 宴会屋英助 番町書房, 1975
◇ どてらい男 第2部 徳間書店, 1975-77
◇ もってのほか 2 主婦と生活社, 1975
◇ どついてんか 講談社, 1975
◇ 母娘夜蝶 桃園書房, 1976
◇ 花ぼうろ 1-4 主婦と生活社, 1976-77
◇ 船場情艶 毎日新聞社, 1976
◇ あかんたれ 土性っ骨 文藝春秋, 1976
◇ おくどはん 全4冊 潮出版社, 1977-79
◇ さわやかな男 全6部 文藝春秋, 1977
◇ 合資夫婦 双葉社, 1978
◇ じょっぱり 1-3 サンケイ出版, 1978-79
◇ 華麗な男 全3部 徳間書店, 1978-79
◇ 思わずドキッとする話 変えられる女変えられない女 青春出版社, 1979
◇ 弟子はモナリザ 桃園書房, 1979
◇ チートイくずれ節 双葉社, 1979
◇ 女商一代 1-3 スポニチ出版, 1979
◇ 鮎のうた 日本放送出版協会, 1979-80
◇ ぬかるみの女 第1-4巻 集英社, 1979-82
◇ 氷山のごとく 東京新聞出版局, 1980-81
◇ おあねえさん 上 東京アド・バンク, 1981
◇ イエスとノンの物語 1-2 中央公論社, 1982-83
◇ ありがとうの心 聖教新聞社, 1983
◇ 私の裏切り裏切られ史 朝日新聞社, 1983
◇ 長嶋の商法・王の商法 野球中継を見ながら儲けよう 太陽企画出版, 1983
◇ 問屋町の女 集英社, 1983

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